ユウシサポの徹底解説
目次
ユウシサポとは?
日本政策金融公庫の申込窓口は日本政策金融公庫や商工会議所だけではありません。
事業資金のプロが運営する日本政策金融公庫融資専門の窓口であるユウシサポという窓口が最近注目されています。
ユウシサポとはいったいどのような窓口なのでしょうか?
税理法人が運営する日本政策金融公庫融資サポートサービス
ユウシサポとは創業、ベンチャー支援、補助金・助成金支援に強みのある小山・ミカタパートナーズという税理士法人が運営する日本政策金融公庫の融資をサポートするサービスです。
税理士法人が運営しているため安心であると同時に、数々の事業事例や融資事例の経験から融資を受けるためのノウハウをもっています。
ユウシサポホームページによると、かかわった案件の7割以上が融資を受けることに成功したという表記があります。
そのため、いきなり日本政策金融公庫の窓口に行くよりも融資を受けやすいというメリットがあります。
経済産業省認定
税理士法人小山・ミカタパートナーズは経済産業省認定の経営革新等支援機関です。
経営革新等支援機関については後程詳しく説明します。
税理士法人という社会的な安心感と専門性があるうえに、経済産業省認定機関ですので、ユウシサポという名前を聞いたことがない人でも安心して取引できます。
会社の資金繰りをだれかに相談するというのは、経営者としては人に聞かれたくない、かなりセンシティブな情報ですが、ユウシサポなら安心して専門家に相談できます。
インターネットや電話から気軽に相談できる
ユウシサポの相談窓口はインターネットと電話です。電話は朝10時~18時まで受け付け可能、インターネットは24時間相談可能です。
ユウシサポのホームページには申込フォームがあり、会社名、名前、業種、希望融資額、電話番号、住所、資本金等を入力するだけで簡単に融資の相談ができるスキームになっています。
相談から申込書類などの作成も
日本政策金融公庫の融資には、申込書をただ記入するだけで審査に入ってくれるわけではありません。
審査の際には事業計画書や資金繰り表なども提出しなければなりません。
ユウシサポを窓口に申込を行えば、これらの書類の作成のサポートを行ってくれます。
特に事業計画書は過去の数字ではなく今後の事業の展望を記入する書類です。
記載項目は以下のようになっています。
1.現況、新商品の開発または新役務の内容、課題・重点取組項目、具体策
2.業績推移と今後の計画
3.借入金・社債の期末残高推移
4.借入の負担の推移
5.計画終了時の定量目標および達成に向けた行動計画等
上記5つの項目のうち、1と5は自分の言葉で文章化しなければなりません。
また、2,3,4は項目1の計画に基づく今後の具体的な数字の推移の予測を示さなければなりません。
項目5は項目1~4を達成するためにどのような行動を計画していくのかということを文章化しなければなりません。
これらの項目1~5あですべて整合性が取れて、計画にも合理性があると認められて初めて日本政策金融公庫から融資を受けることができます。
この書類を素人が作成するのは実際のところかなり時間がかかりますし、整合性が取れて日本政策金融公庫が「この計画であれば問題ない」と判断してくれるレベルまで作成するのは簡単ではありません。
ユウシサポは日本政策金融公庫融資の際に重要な事業計画書をはじめとしたさまざまな書類作成のサポートをしてくれます。
この点は、日本政策金融公庫への直接申込や商工会議所窓口では受けられるサービスではないため、やはり書類作成や審査通過に不安を感じる人はユウシサポへの申込にメリットがあります。
ユウシサポ運営主体の税理士法人小山・ミカタパートナーズとは?
そもそもユウシサポを運営する税理士法人小山・ミカタパートナーズとはどのような会社なのでしょう?
ベンチャー企業支援
小山・ミカタパートナーズはITを利用したビジネスに経験と知識を持った20代の公認会計士のみで構成されている税理士法人です。
まず、現金出納帳、総勘定元帳、残高試算表などの会計帳簿を作成する業務を行っています。具体的には会計ソフトを導入して会計帳簿を作成し小山・ミカタパートナーズでそのチェックをする方法と、現金出納帳・領収書・預 金通帳等を預けて小山・ミカタパートナーズで作成する方法があります。
また、以下の各種税務署類の作成も行っています。
法人税・事業税・法人住民税・消費税の申告書の作成・提出
源泉所得税の納付書の作成
法定調書合計表・支払調書の作成
給与支払報告書の作成
償却資産税の申告書の作成
税務調査への立会、折衝
税務署や都税事務所等から郵送されてくる書類などへの対応
その他、各種税務決算相談、年次、月次の決算等の業務を行っています。
ここまでは通常の税理士事務所の業務を行っているといえるでしょう。
海外進出支援
小山・ミカタパートナーズは経営コンサルのように、海外進出に関する相談も行っています。
小山・ミカタパートナーズはシンガポールにおける事務所設立のノウハウをもっています。
シンガポールは税率の安さから現地法人の設立先として人気の国です。
シンガポールに現地法人を設立して、移住を検討している事業者に対して、小山・ミカタパートナーズは事業内容に応じた様々な現地法人設立の選択肢を提案してくれます。
補助金・助成金の相談
国・地方には様々な補助金があります。
しかし、補助金や助成金を取得するには融資を受けるとき以上に膨大な書類の提出が必要になり、テクニックも必要になる場合が少なくありません。
小山・ミカタパートナーズはこれまでの数々の実績から補助金や助成金を受けるための補助業務を行っています。
会計ソフトフリーの認定アドバイザー事務所
小山・ミカタパートナーズは無料会計ソフトフリーの認定アドバイザーです。
認定アドバイザーとは会計ソフトフリーのユーザーをサポートすることができるとフリーが認めた会計士を指します。
「freee認定アドバイザープログラム」を受講した会計士だけが認定されます。
現在、ベンチャー企業中心に会計ソフトフリーで効率的に会計を行っている事業者が増えていますが、小山・ミカタパートナーズはフリーで会計を行っている事業者にもしっかりとサポートを行うことができる会社です。
20代の若い公認会計士のみで構成されている小山・ミカタパートナーズならではといえるでしょう。
経営革新等支援機関
経営革新等支援機関とは平成24年8月30日施行の「中小企業経営力強化支援法」に基づいて認定される機関です。
中小企業に対して専門性の高い支援事業を行うと経済産業省が認めた機関だけが認定されます。
認定を受けるには税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上である必要があります。
具体的には、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士などが認定を受けることができます。
経営革新等支援機関の具体的な支援内容は以下の通りです。
1. 経営革新等支援及びモニタリング支援等
①経営の見える化支援
財務状況、キャッシュフロー、将来性などの見通しなどの分析を行います。
②事業計画の策定支援
事業計画の策定にかかる細やかな指導や助言を行います。
③事業計画の実行支援
事業計画を円滑に実行するためのきめ細やかな指導や助言を行います。
④モニタリング支援
経営革新支援を実施した事業者のモニタリングを行います。
⑤中小企業・小規模事業者への会計定着支援
会計指針である「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に関する指針」に基づいた信頼性のある計算書類の作成及び活用を指導します。法的に則った会計を行うため、事業者の決算書への信頼性は向上します。
2. その他経営改善等に係る支援全般
創業、新事業展開、事業再生等の中小企業・小規模事業者が抱える課題に対する改善指導や助言を行います。
3. 中小企業支援施策と連携した支援
補助金、融資制度等を活用する中小企業・小規模事業者の事業計画等策定支援やフォローアップを行います。
この点が小山・ミカタパートナーズがユウシサポを運営している根拠といえるでしょう。
ユウシサポのメリット
それではユウシサポを利用して日本政策金融公庫の融資を受けるメリットはどのような点にあるのでしょうか?
金利優遇が受けられる
先ほど述べたように、ユウシサポは経済産業省認定の経営革新支援機関である小山・ミカタパートナーズが運営するサービスです。
経営革新支援機関であるユウシサポから融資を受けると、日本政策金融公庫に直接申込を行うよりも0.3%の金利優遇を受けることができます。
ユウシサポ取り扱いの融資を日本政策金融公庫窓口で融資を受けると金利は約2.25%~となりますが、ユウシサポから申込を行えば金利は2.06%~と金利優遇を受けることが可能です。
日本政策金融公庫の金利はただでさえ低利ですが、ユウシサポで申込を行うとさらに金利優遇を受けることができるという点はかなりの大きなメリットです。
申込フローをマニュアル化
日本政策金融公庫だけでなく、事業資金の申込フローは非常に面倒です。このフローを把握しておかないと何度となく窓口に顔を出さなければならなかったり、その都度必要書類を用意しなければならなくなります。
とはいえ、日本政策金融公庫の窓口には融資までの細かいフローは作成されていません。
審査の過程に応じて必要な書類を要求するのが日本政策金融公庫の審査であるためです。
ユウシサポは今までの膨大な融資実績によって、日本政策金融公庫の審査がどのような流れで、どの過程でどのような書類が必要になるのかを把握していますので、素人でもわかりやすい書式で申込フローを作成してくれています。
事業計画の立案
創業時資金というのは今後の事業計画に対して融資を行うものです。この計画に合理性が認められれば将来性を買われ融資に応じてくれるものです。
また、創業でなくても日本政策金融公庫の審査の際には今後の計画を立てた事業計画書という書類が重要になります。
つまり、審査の際には今後の計画がどのようになるのかが非常に重要になるのです。
ユウシサポでは、創業支援、融資支援の経験から、どのような計画が融資を受けやすいか熟知していますので、より融資を受けやすい計画を立案してくれます。
返済計画の策定
せっかく融資を受けることができても、その後返済できなければ意味はありませんし、日本政策金融公庫もその点はしっかりとチェックしています。
ユウシサポは今後の事業計画だけでなく、日本政策金融公庫が「返済財源がない」と思うことがないように、返済計画もサポートしてくれます。
面談の事前練習まで
事業資金の融資を日本政策金融公庫から受けるときには、必ず審査担当者との面談があります。
過去の事業実績である決算書や、今後の計画である事業計画書だけではわからない、経営者の人柄、ビジョン、やる気、資質などの定性評価も事業資金の融資には非常に重要です。
面談の際にはどのようなことに気を付ければよいのか、面談の際にアピールするべき自社の強みとは何かなども細かに教えてくれます。
それだけでなく、ユウシサポは実際の面談の練習(ロールプレイング)まで行ってくれます。
東京の事務所に行くことができない人はSkypeでの面談も行ってくれます。
書類の作成、返済計画、面接の練習などまで徹底して融資を受けるサポートを行ってくれるのが、プロの税理士法人が運営するユウシサポの強みです。
ユウシサポでも事前の審査がある
ユウシサポに申し込んだからと言って必ず、日本政策金融公庫への申込へと進めるわけではありません。
ユウシサポが取り扱う案件に資する事業者かどうかの事前の審査がユウシサポにはあります。
ユウシサポから公庫借入のフロー
ユウシサポに申込を行ってから実際に日本政策金融公庫から融資を受けるまでには以下の5つのフローがあります。
①電話やネット上の応募フォームから申込
②ユウシサポの仮審査
申込内容をもとにユウシサポが取り扱い可能かどうかの審査を行います。審査の結果は1週間以内にユウシサポ担当者から連絡が入ります。
③契約書締結
審査に通過した人はユウシサポとの契約に進みます。
関東の事業者は対面にて契約書の締結、関東以外の人はSkype、電話、郵送などの方法によって契約を締結します。
④日本政策金融公庫への申込
上記サポートをユウシサポから受けながら、実際に日本政策金融公庫への申込を行います。
⑤融資実行
融資実行後も会計、経理、経営相談等をユウシサポや小山・ミカタパートナーズへ相談することはもちろん可能です。
様々なプロのサポートを受けることが可能です。
ユウシサポで受けられる日本政策金融公庫融資
日本政策金融公庫では数多くの融資制度がありますが、ユウシサポからの申込で優遇を受けることができる融資制度は以下のようになっています。
限度額3,000万円
ユウシサポ申込の限度額は3,000万円までとなっています。
主に中小企業や個人事業主などの小規模事業者をメインターゲットとしていますし、資金繰りの悩みも小規模法人のほうが大きくなりますので、3,000万円あれば、十分な融資規模といえます。
金利2.06%~
ユウシサポを窓口とした金利は2.06%~となります。金利は変動金利であるため景気動向によって変動します。
民間のノンバンクで事業資金の融資を受けた場合には10%を超える金利となることも珍しくありません。この点を鑑みれば、民間のノンバンク、日本政策金融公庫の窓口での申込みよりも金利的なメリットがあります。
銀行融資では1%の融資も珍しくありませんが、ユウシサポのようなサポートはつかないため、2.06%~という金利はかなりコストパフォーマンスが高いといえるのではないでしょうか?
無担保無保証
日本政策金融公庫の融資の特徴である無担保無保証融資ですが、この点はユウシサポでも申込を行っても変わりありません。
ノンバンクでは担保や保証人を要求されることも決して珍しくありません。
また、銀行から中小企業や個人事業主が融資を受けようと思った場合には信用保証協会の保証が必要となることが多いため、保証料がかからないという点などは日本政策金融公庫のメリットです。
提供できる担保も保証人もいないけどお金を借りたい、でも誰に相談してよいかわからないという事業者の強い味方となるのがユウシサポであるといえるでしょう。
ユウシサポで取り扱い不可な事例
資金繰りに困った事業者の心強い相談窓口であるユウシサポですが、最初から取り扱いが不可能な事業者として以下の3つのケースがあります。
税金滞納中は取り扱い不可
公的資金である日本政策金融公庫の融資では申込時の納税証明書の提出が必要になります。
そのため、現在税金を滞納中で納税証明書と取得することができない事業者は最初からユウシサポへ相談することは不可能です。
税金の支払い資金も含めて融資を受けたい場合には、滞納となる前の支払い期日前にユウシサポへ相談を行わないと日本政策金融公庫からの融資を受けることはできません。
これは、民間銀行の事業資金融資でも同じことが言えます。
公庫利用経験者で自己破産経験者
過去に日本政策金融公庫を利用していて事故破産を経験した人も相談対象外となっています。
事業資金ですので、個人信用情報は照会しませんが、自己破産という言わば「借金を踏み倒した」という事実は日本政策金融公庫の内部情報としてはしっかりと残っています。
日本政策金融公庫は内部情報的にブラックである社内ブラックの人への融資を行いませんので、このような人はユウシサポへ相談することは不可能です。
なお、過去に日本政策金融公庫での利用経験がない自己破産、債務整理経験者は相談の対象となります。
これも銀行融資でも同じことが言えます。やはり、どこの金融機関でも社内情報でブラックがある人や事業者への融資は行いません。
自己資金がない事業者
ユウシサポが取り扱いを行う日本政策金融公庫の融資制度は借入金額の10分の1以上の自己資金を有しているということが条件となっています。
このため、借入希望額の10分の1以上の自己資金を持っていない人はユウシサポでは相談に乗ることはできません。
日本政策金融公庫の融資制度の中には自己資金なしでも融資に応じてくれる融資制度がありますし、民間銀行でも自己資金なしでも融資が可能な資金がいくつもあります。
自己資金がない人はユウシサポ以外の窓口での資金調達を検討したほうがよいでしょう。