目次
事業者ローン
経営者であれば、銀行借入やファクタリング以外にも、ノンバンクの新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンについて把握しておきたいところです。
メリットもデメリットもはっきりしていますが、うまく活用すれば会社の資金繰りをより円滑にできる可能性があります。
金利は変動金利
新生プロパティファイナンス事業者ローンの金利は変動金利のみとなっています。
2017年現在の適用金利は2.80%~6.80%となっています。
母体である新生銀行が公表する短期プライムレートに1.325%~5.325%上乗せした金利となっており、毎年4月と10月の年2回見直しを行います。
金利が気になる人は、新生銀行の短期プライムレートに注目しましょう。
金利の上乗せ幅は審査によって決定し、返済リスクが低いと判断される事業者ほど上乗せ金利は低くなります。
銀行ローンよりも審査難易度が低いため、金利は銀行から融資を受けるよりも高い設定となっています。
融資限度額10億円の高額対応
不動産担保ローンの融資限度額は10億円までと、かなり高額の対応となっています。
ただし、10億円は1つの事業者が新生プロパティファイナンスから借りることができる総額の限度額です。
1本あたりの限度額は3億円となっています。
3億円もあれば、中規模企業の運転資金や大型の設備導入など様々な用途に使用することができます。
銀行から1億を超える融資を受けるのは、審査に時間がかかりかなり大変ですので、高額融資に対応している点へメリットです。
事業資金であれば使い道自由
新生プロパティファイナンスの事業者ローンは事業資金であれば何にでも使用することができます。
また、1度に複数の資金使途に使用することも可能です。
銀行の事業者ローンは必要な資金を必要なだけしか借りることができません。設備資金と運転資金を1つの借入で借りることはできませんし、おまとめを行う際には格付けが下落したりと、かなり大変です。
この点、新生プロパティファイナンスの事業者ローンは事業資金であれば細かい資金使途は問わず、返済の見込みが立てば融資を受けることができます。
運転、設備、おまとめなど様々な用途に利用できるのはメリットです。
返済期間は最長35年
資金使途にかかわらず、返済期限が最長35年の長期返済に対応している点は大きなメリットです。
銀行融資であれば運転資金は5年~10年、設備資金は設備の耐用年数以内と決まっています。
銀行の事業者ローンは短期間の返済になることが一般的で、会社の資金繰りは返済金でそれなりに圧迫されてしまいます。
この点、35年の長期返済であれば毎月の返済を抑えて、資金繰りを楽にすることも可能です。
事務手数料あり
新生プロパティファイナンスの事業者ローンは銀行融資には存在しない事務手数料が融資実行時に発生します。
事務手数料は融資金額の2%と消費税です。
1,000万円の融資でも216,000円の手数料が発生しますので、この点は大きなコスト負担となります。
違約金あり
返済の途中で繰上返済を行う場合には0.00%~3.00%の違約金が発生します。
違約金の利率は審査によって決定します。
一部繰上返済時も最低32,400円の手数料がかかります。銀行の事業者ローンも繰上返済手数料がかかる場合が少なくないため、この点は銀行とそれほど変わらないといえます。
個人向け不動産担保ローン
新生プロパティファイナンスは個人向けに不動産を担保として使い道自由な融資を行っています。
不動産を担保としている分金利がカードローンやフリーローンなどよりも低く様々な用途に使用することが可能ですし、融資対象は銀行ローンよりも広いことが特徴です。
金利は変動金利
新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは変動金利のみとなっています。
2017年現在の金利は2.80%~6.80%となっています。
金利は審査の結果で決定しますが、カードローンやフリーローンと比べても圧倒的に低い金利となっています。
後述しますが、最長35年ローンが組めますので、金利の変動リスクを長期間自分で負わなければなりません。
この点はリスクがあるとも言えます。
融資限度額3億円
不動産担保ローンの融資限度額は3億円です。
もちろん、返済能力が認められないと3億円までという高額融資には応じてもらえませんし、融資限度額が担保評価額を基準に決定します。
誰でも3億円まで借りることができるわけではありませんので、注意が必要です。
しかし、高額不動産を所有している人は、高額のお金を借りることができるという点は、数百万円単位までの融資にしか応じてくれない銀行融資と比較してメリットが大きいといえます。
融資期間最長35年
不動産担保ローンの融資期間は最長35年です。
融資期間が長いというのはメリットです。銀行のフリーローンは長くて15年程度までが限度です。
そのため、毎月返済額もそれなりになってしまいますが、最長35年までであれば毎月返済をかなり少なくすることができます。
おまとめなどに使用しても、毎月返済額をかなり少なくすることができるというメリットがあり、おまけに金利も低く設定されているため、用途はかなり多いといえます。
使い道自由
銀行フリーローンは使い道が自由ですが、申込時に申告した資金使途にしかお金を使うことができませんし、家族に借金を返済するなどといった客観的な見積もりが出ないものにお金を借りることはできません。
不動産担保ローンは複数の使い道にも見積もりが出ない使い道にも借りたお金を使うことができるため、用途は銀行ローンよりもかなり広いといえます。
違約金あり
返済の途中で繰上返済を行う場合には0.00%~3.00%の違約金が発生します。
違約金の利率は審査によって決定します。
一部繰上返済時も最低32,400円の手数料がかかります。
カードローンはいつでも繰上返済可能であることを鑑みるとこの点はデメリットであるといえるかもしれません。
事務手数料あり
新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは銀行融資には実行時に事務手数料が発生します。
事務手数料は融資金額の2%と消費税です。
銀行のフリーローンとカードローンにはこのような手数料は発生しないため、この点はデメリットですが、金利が低いことでカバーできるでしょう。
違約金あり
期日の途中で繰上返済を行う場合には0.00%~3.00%の違約金が発生します。
違約金の利率は審査によって決定します。
一部繰上返済時も最低32,400円の手数料がかかります。
銀行カードローンがいつでも繰上返済が自由である点を鑑みれば、いちいち高額の手数料が発生するという点はデメリットであるといえるでしょう。
個人向け売却物件ローン
個人が物件の売却を検討している際に、売却中の物件を担保として売却できるまで短期間の間だけつなぎ資金を融資するローンです。
急いでお金がほしいけど、なかなか物件が売却できないという人にはおすすめのローンです。
短期融資なので変動金利
個人向け売却物件ローンの適用金利は変動金利です。
2017年7月現在の金利は2.8~6.8%となっています。
売却物件ローンは不動産が売却できるまでの短期間の融資となっていますので、長期にわたって金利変動リスクを負うことなく、変動金利でも特段問題はありません。
融資限度額3億円
融資限度額は3億円となっています。
売却中の不動産評価額の範囲内での融資となり、返済は物件の売却によって行うことができますので、収入などの返済能力をそれほど問われることがありません。
年金収入のみの人や収入の少ない人でも利用することができる可能性の高いローンとなっています。
個人向けのローンですので、融資限度額は3億円もあればたいていの物件に対応することが可能となっています。
返済期間1年以内
個人向け売却物件ローンの返済期間は1年以内となっています。
売却中の不動産が実際に売れる前にお金を用意したいという人向けのローンですので、それほど長期の入用ではありません。
そのため、返済期間は1年以内となっており、返済は物件が売却されてからの期日に一括で融資を行うスキームとなっています。
事務手数料あり
個人向け売却物件ローンも実行時に事務手数料が発生します。
事務手数料は融資金額の2%と消費税です。
銀行の不動産担保融資も不動産調査手数料が発生することも珍しくないため、それほど銀行融資と変わらないでしょう。
違約金あり
期日の途中で繰上返済を行う場合には0.00%~3.00%の違約金が発生します。
違約金の利率は審査によって決定します。
一部繰上返済時も最低32,400円の手数料がかかります。
一括返済で期限が1年以内の個人向け売却物件ローンですので、一部だけを繰上返済するということは状況としてあまり考えられません。
物件が思ったよりも早く売却できた場合には、一括繰上返済可能ですが、その際には負担する金利と、繰上返済手数料のどちらが高いのか安いのかを勘案して返済を行いましょう。
不動産購入ローン
アパート建築、投資用不動産購入のほか、自分の居住用の住宅ローンとして、他社ローンの借換資金など、不動産を購入する目的であれば幅広く利用することができるローンです。
金利は変動、団信加入によって金利が異なる
不動産購入ローンも金利タイプは変動金利のみとなります。
また、団体信用生命に加入するか否かによって金利は変わってきます。
団体信用生命保険なしの場合:2.80%~3.80%
団体信用生命保険ありの場合:3.10%~4.10%
住宅ローンは団体信用生命保険に加入することを絶対におすすめますが、健康上の理由から団体信用生命保険に加入できず、銀行の住宅ローン審査に通過できない人でも住宅ローンが組める点は銀行ローンにはない特徴といえます。
また、銀行の住宅ローンやアパートローンと比較すると、金利は1%以上高い金利となっています。
しかし、申込の門戸が広く、高齢者や契約社員や派遣社員の人も申し込むことができるローンであると考えれば、コストパフォーマンスは高いといえます。
融資限度額10億円(個人3億円)
融資限度額は10億円ですが、個人が借りることができる限度額は3億円までとなっています。
都心のビル一棟買いなどはできませんが、アパート建築やマンション購入などの個人の投資には3億円で十分に対応できます。
事業者の場合には10億円まで対応していますが、1件当たりの金額はやはり3億円までとなっています。
返済期間最長35年
返済期間は銀行住宅ローンと同じく最長35年ローンです。
アパート建築の際にも、住宅購入(建築)の際にも余裕をもって対応することが可能です。
事務手数料
事務手数料は他のローンと異なり1%~2%プラス消費税となります。
住宅購入、投資用不動産購入といった、使い道が自由なその他のローンと比較して新生プロパティファイナンスにとってリスクが少ないローンで、個人の用途がもっとも多いローンですので、手数料は他の商品よりも低い利率が適用される場合があります。
手数料は審査によって決定します。
違約金あり
期日の途中で繰上返済を行う場合には不動産購入ローンも0.00%~3.00%の違約金が発生します。
違約金の利率は審査によって決定します。
一部繰上返済時も最低32,400円の手数料がかかります。
住宅ローンを早期完済する人のほとんどがこまめに繰上返済を行っています。
このため、一部繰上返済を行う際に、最低でも32,400円の手数料がかかるという点は大きなデメリットです。
繰上返済はとにかく1,000円でも2,000円でもこまめに行っておいたほうがよいのですが、その都度3万円以上の手数料がかかってしまっては、意味が全くないどころか損になります。
繰上返済をこまめに行って早期に完済したいという人は、繰上返済手数料無料の銀行の住宅ローンなどを選択したほうが無難です。
海外投資家向けローン
今や、不動産投資市場には、都心部を中心として海外マネーがかなり入ってきています。
新生プロパティファイナンスは海外投資家が国内の不動産を購入するための資金も融資しています。
申込条件は以下の通りです。
香港特別行政区政府または日本国発行の旅券保有しており、現在香港在住である個人の人
契約時の年齢が20歳以上70歳以下
この条件に当てはまる人は外国人でも融資の対象としています。
日本国籍があるか永住権を持っていない人には融資を行わないのが、日本の銀行ですので、この点も新生プロパティファイナンスの特徴であるといえます。
新生プロパティファイナンス審査の特徴
新生プロパティファイナンスの審査の特徴として以下の7点を挙げることができます。
最短1週間で融資可能
審査の時間が早いのはノンバンクである新生プロパティファイナンスの特徴です。
早い場合には、申込から1週間で融資されることもあります。
銀行から不動産担保で融資を受けようとする場合には、1か月程度の時間がかかってしまうことも珍しくありませんので、融資までのスピードは銀行よりも圧倒的に早いといえます。急ぎでお金が必要にな人には活用価値があります。
不動産評価額が審査のベースで借りやすい
銀行の審査の基本は個人であれば返済可能かどうかです。
事業者であれば必要な資金なのかどうか、将来性はどうか、返済可能かどうかなどが基準となります。
しかし、新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは審査のベースはあくまでも不動産担保評価額となります。
もちろん、銀行のような目線で審査を行いますが、どうしても現金で返済を行ってほしい銀行と異なり、新生プロパティファイナンスは不動産の競売による回収を考慮しています。
また、金利も銀行の住宅ローン、アパートローン、事業性ローンよりも高く設定しているため、銀行で融資を断られた人よりも審査通過の確立は高いといえます。
ただし銀行のように、経営支援まで行ってくれるわけではなく、借りた後は返済していくだけで、返済困難になった際にも銀行のように経営支援に乗り出してくれる可能性はないため、自己責任で慎重な意思決定を行いましょう。
金利は銀行より高い
銀行よりも広範囲の人を融資対象としており、銀行審査に断られた人にも融資を行うため、新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンの金利は銀行ローンよりも高めの設定となっています。
その反面、スピード融資や借りやすさというメリットはありますので、メリットを享受したい人にはコストパフォーマンスは高いといえるかもしれません。
対象物件は東京近郊のみ
新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは全国どこの物件でも対象としているわけではありません。換金性と流動性の高い都会のみです。
担保不動産対象エリアは東京都心並びに近郊地域のみとなり、名古屋、京阪神、福岡は要相談となります。
ノンバンクの不動産担保ローンの中には全国の不動産を対象としているローンも存在しますので、この点はデメリットであるといえるかもしれません。
後順位でも設定可能
新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは抵当権順位が第1位でなくても融資を受けることができる可能性があります。
後順位でも担保価値の範囲内で融資を受けることができます。
例えば、担保評価額3,000万円の土地建物の抵当権第1位に住宅ローンの抵当権2,000万円がついているような場合には、残り1,000万円の空きがあります。
この1,000万円の空きを利用して住宅のリフォーム資金を借りるというような活用もできます。
銀行融資では抵当権第1位しか認めてくれない場合がほとんどですので、この点はノンバンクならではメリットであるといえます。
年齢制限なし
銀行の個人向けのローンにはたいてい、申込年齢の上限というものが設けられています。
このため、高齢となってからの借入は難しくなります。
しかし、新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンに年齢条件はありません。
高齢になってから相続対策のために借金をしてアパートを建築するという利用も可能です。
家族間売買も対象
銀行ローンは家族間、親族間の売買のための資金は原則融資していません。
兄弟の土地を買い取るためなどという資金の融資には応じていないのです。
しかし、新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは家族間の売買にも利用可能です。
土地の相続で兄弟ともめてしまって、お金を払って所有権を自分のものにしたいというような場合にも活用可能です。
銀行融資との使い分け方法
メリットも多くありますが、金利が高いというデメリットもある新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは銀行ローンと使い訳次第で活用方法は広がります。
事業者
事業者におすすめの使用方法はつなぎ資金と、借り換えと、納税資金です。
つなぎ資金とは確定している入金日までの短い期間の資金繰りをつなぐための資金です。
予定されていた入金日が突然取引先の都合で先延ばしになったとか、銀行融資が入金となるまでの短い期間だけお金を借りておく、などというような場合に最短1週間で融資が実行される新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンが活用できます。
また、複数の債務を銀行で借り換えたり、期限の延長を行うことで資金繰りを楽にしようとする場合にも活用できます。
銀行で借り換えや期限延長を行うと、銀行内部での格付けが下がり、その後の融資に悪い影響がでます。
新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは銀行融資とは別枠ですので、借り換えや期限延長を新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンで行えば、銀行の格付けは必ずしも下落しません。
税金を滞納している人はほとんどの銀行の事業性ローンを利用することは難しくなります。
なぜなら、銀行融資の契約の際には納税証明書が必要になり、滞納者には納税証明が出ない
ためです。
新生プロパティファイナンスの不動産担保ローンは納税をしているかどうかは融資の条件ではないため、税金の支払資金にも活用できます。
個人
個人が活用できるシーンはおまとめと、親の介護や相続費用の捻出です。
不動産担保ローンは銀行のおまとめローンよりも金利が低く、返済期間も長期に設定できます。
このため、おまとめによるメリットが銀行よりも出やすくなります。
家族の土地も担保としてお金を借りることができるため、親の土地を担保にして親の介護費用をねん出したり、相続税を準備したりする場合にも活用できます。
不動産をもっている人であれば、銀行ローンよりも活用の幅が広いローンですので、選択肢の1つとして不動産担保ローンは考慮に入れておいて損はありません。